ちらりと窓の外、どこか浮き足立つような空を見上げた。 ――――放課後の、この空の雰囲気は、嫌いじゃない。 *** 「…怜香ってさ」 「…なに?」 アスファルトの上を二人で歩いていると、 隣にいた夏樹が何気なく口を開いた。それに軽く返す。 見上げれば、夏樹は何を考えてるのかわからない表情を晒した。 …なんだろう。 今更になって、胸がざわざわとざわつく。