――――――… あたしが言ったのは、やっぱりいけないことだったのだろうか。 放課後の賑やかな教室には似合わない表情になっているであろう自分。今だけは、溶け込めない。 「怜香」 「…夏樹」 視線を上げる。 あたしの名前を呼んだのは、夏樹だった。 その手に捕まれている鞄を視界に入れて、迎えに来たのかと理解する。 「…ごめん、行こ」 がたんと、言いながら椅子から立ち上がる。 机の横に引っかけられた自分の鞄を手に取って、夏樹の隣に並ぶ。