だけどそんな私の言葉は、ぴしゃりと怜香に否定される。




「嘘。なんかあったって顔してるよ」

「顔って」

「佳奈ってさ、結構顔に出るよね」




私の顔を指差すと、怜香はまた、じっと私を見つめた。

その瞳から逃れようと、また口を開く。




「あー…、…なんか、弁当失敗したなあ、と思って」

「いつもじゃん」

「それは酷い」




速攻に帰された毒舌。
い、いつもって。いや、いつもなんだけど。事実なんだけどさ。

思わず苦笑いも崩れる。…すると、怜香はがたんと立ち上がった。




「…怜香?」