「紗菜、てめぇ泣いてんじゃねぇよ」 「…なんで泣いちゃいけないの!?」 「は?」 葵は馬鹿だよ! 私がどんな気持ちで泣いてるのかも知らないくせに! 「おい、葵。…紗菜、ちゃんだっけ?紗菜ちゃんは…」 「言わないでください!…私は葵のこと…嫌いです」 嫌いなわけない。 むしろ好き。 でも、この先輩は…私が葵のことを好きって言おうとした。 それは、言っちゃだめだよ。 葵を…困らせるだけ。