とりあえず自己紹介を終え、全員が席に着く。


シャドーは軽く咳払いをして、口を開く。



「さて、四人とも滞在は五日間という話だが、その間はファイナと好きに接触してもらって構わない。邸内、出入りの許される場所ではどこでも接触してくれていい」



(は――)



信じられない父の言葉に、ファイナは硬直する。


それはまるで、イコール自由がない、ということではないか。



「外出の必要があれば好きに申し出てくれ。足を用意しよう。ただ、基本的に私は口を出さないが、ファイナの意思を無視するような行為はやめていただきたい。その場合は、例外として口・頭・手・足、色々出そう」



言い方はともかく、さすがにそのくらいの良識はあるようだ。

ファイナの硬直は緩まる。


一歩引いた位置でみているというスタンスでいくが、もし自分の意思を超えてアタックしてくるようなら、父の権限で止めてくれるだろう。


ファイナは頭でシャドーの言葉を整理し、四人の求婚者へと目を配らせた。


父の言葉に意見を持つ者はいないようだ。


その場は解散となり、次に全員が揃うのは夕飯の時間となった。