「どうぞ」



侍従によって開かれた扉をくぐる。


広間には、白のテーブルクロスのしかれた縦長のテーブルを囲むように、六人の男性が座っていた。

そのうち二人は父であるシャドーと、弟であるウィルヘルム。
父が上座に座り、ウィルヘルムは父からむかって左側に座っていた。ならば右側が、ファイナの席になるのだろう。


ウィルヘルム、そしてファイナの席から二つ空けてそれぞれ左右に、二人の男性が座っている。


見覚えのない男性ばかりだった。


ファイナから一番間近な席に位置するのは、茶髪の紳士。甘いマスクに、上品な印象の男性だ。目じりのホクロが一層その雰囲気を際立たせる。


その隣は、金髪碧眼の長身の男性だ。おそらく年齢は一番下だろう。とはいっても、ファイナよりは年上に見える。
服の装飾品がやたらと凝っているのが、特徴的だ。


ウィルヘルムに一番近い席にいるのは、珍しい青色の髪の男。
一見して、異国の血が入っているのがわかる。顔には入れ墨が入っていて、それが何かの文様に見える。



そして最後、ファイナから対角線上の位置に座る男。


入ってまず目を引いたのは、彼の色の白さだった。日の光を浴びたことがないのではないかと思わせるくらい、美しい雪の色の白さをしていた。

それに続いて濡れたような赤い唇、通った鼻筋、そして光をよく孕む黒の瞳、光を美しく反射する銀色の髪。




(綺麗…)











「どうした、ファイナ?」