空回りな僕等【完】




人気のない廊下の端まで来たとき、その足はぴたりと止まった。




「っ、…離し、」

「…ごめん」




捕まれた腕を拒めば、隼人は、…私を、引き寄せた。

びくり、驚きに身体が震えた。首元に、隼人の息がかかる。




「…っ、な、んで」

「ごめん」

「、…それだけじゃ、わかんない、」




涙が出てきそうだった。久々過ぎる、この感触。