溜息を吐き出しそうになった私に、「あれ。次なんだっけ」問い掛けてきた結菜。 「数学」 「え、嘘!忘れたんだけど!」 「ええええ…、私にキレられても」 「ちょ、早く言ってよブス!借りてくる!」 そう私に吐き捨てると、結菜は席を立つと走り出した。 ……ていうか今すごい捨て台詞しなかった?親友に向かってブスって言わなかった? 「なんて酷い…」 酷い。眉間に皴を寄せたそのとき、教室の入口から私を呼ぶ声がした。