空回りな僕等【完】




このとき初めて、自分の嫉妬深さに気付いた。

言いようのない怒りを感じた。…誰だよ。なんで友梨、あんな楽しそうに笑ってるんだ。



―――――…




「仲良いのかよ」

「え?」

「最近一緒にいる奴。付き合ってるのか、噂になってるらしいけど」

「…柴崎君の、ことですかね?」




また、ふつふつと怒りが込み上げる。

その名前を、彼女が口にしただけ、なのに。




「…随分と仲よさ気だったけど」