*** 彼女が出来たのは高校二年になってから。 友梨は俺の名前を呼ぶとき、いつも照れたような笑顔を浮かべる。 彼女の癖がわかるくらいに、自分にとっての彼女の存在は大きく、濃くなっていった。 そんなとき、だった。 「なあ、隼人」 「なに?」 「…あのさ、隼人の彼女ってさ」 唐突に、その名前を出された。なにかあったのかと、その目に視線を送った。 大地が、「…あれ」廊下の方を指差した。