「…もう、良いよ。最初から好きなんて感情、無かったんでしょ」




吐き捨てるように言ってから、荷物だけ持って、振り返らずに彼の横を通り過ぎた。

そのときに見えた筈の表情が見えなかったのは、


きっと彼が私をどう思っているのかを教えようとしてくれたのだと、そう思った。