空回りな僕等【完】




やばい、どうしよう。

鞄の中をどれだけ漁っても目当てのものは出てこない。

制服のポケットに手を出し入れする。……無い。

落ち着きなく、辺りを見渡しては足元に視線を戻す。


…それを何回か繰り返したとき、だった。




「…友梨」




教室の扉から、自分の名前を呼ぶ声がした。




「……え」




有り得ない。目を見開いて、声を漏らした。

そこにいたのは、…黒い髪をした、




「…、隼、人」