――――――…



「あれ、…ない」




呟いてから、辺りをぐるりと見渡した。

ない。………ない。




「ええ、嘘!なんで!」




放課後、結菜と別れて、荷物を取りに教室に戻ってきた私。


―――――なのに、手元に携帯がないときた。




「……ええ、落とした?落としたのか?」




最悪、言葉を吐き出してから溜息をついた。

どうしよう。

…馬鹿なの、私?校内で携帯落とすとか、…誰かに見られたら、一巻の終わりだ。