「一ヶ月って言われてたのに、結局二、三ヶ月やったし」
「…二、三ヶ月」
「別れたからマネージャーも辞めたんだよ」
「あー…そっか」
ばつが悪そうに、歯切れ悪く結菜が答えた。
別に気にしなくて良いのに。…まあ、それはそれで無関心だけど。
微量だけれど、申し訳なかった。私に否があるのに、気を使わせてしまったことが。
「なんかごめん、気にしないで良いよ」
「や、気にしたっていうか…強いて言うなら今日の夕飯が気になった」
「空気読もうよ」
がしゃん、フェンスが音を鳴らす。
どちらともなく、また、下を見下ろした。