空回りな僕等【完】




ていうかなにが仕事なんだろう。忘れ物でも取りに来たんだろうか。

そこで、鈴村君は、思いもよらない言葉を私にぶつけた。




「俺、数学教えたよな」

「はい?え、…ああ」

「それってつまりはアンタからすれば『借り』だよな」

「…」




借り。…まあ、うん。そうですよね。

勝手に教え始めたのはそっちじゃない?とも思ったけど、課題を終わらせることが出来たんだから文句は言えない。




「マネージャーをやって欲しいんだ」

「…はい?」




ぱちり、ぱちり。
瞬きを数回繰り返した。