「…」 その先にいたのは、慣れてきたクラスメートではない、…バスケ部の、人だった。 黒い綺麗な髪が目立つ、名前は結構耳にする彼。 「……鈴村、さん?」 ぽつり、その名前を呼んだ。合っているはず。 だってこの人、学年では有名な人だから。私でさえ知っているくらいだ。 「…何してんの?」 「それはこっちの台詞なんですが…」 「それ数学の課題?」 「あー…課題です」 「ああ」