空回りな僕等【完】




――――――…



すこしは暗い思考の自分を、今回は信じないでみようと思った。

第一、まず私はネガティブだ。暗い思考は自分にとって当たり前だった。

だけど今回は、その理論を拒絶してみようか。そんな考えだった。



だから、嘘だと思った。『こんなこと』だって、今あるポジティブな思考で、嘘だと否定出来る筈だった。

だけどそれが出来ないのは。




「…友梨、たまたま、かもしれないよ」

「…。あれは偶然じゃ、ないよ」




目前の光景を、私は一度見たことがある。