「私の質問には答えないんだ」




そう言って力無く、ふにゃり、笑えば。

結菜は落としていた視線を上に上げて、遠くを見ながら口をついた。





「…友梨ー」

「なに」





結菜はまた、笑った。
太陽は、まだ死んでいなかった。




「彼氏と別れた」

「…そっか」




世界は、どんなときだって空回りばかりだ。

だってそれしか、知らないのだから。空回ることしか出来ないのだろう。