包み隠してるわけではないけど、理解しづらい部分が、ふと目に見えるときがある。





「隼人ってミステリアスだよね」

「初めて言われたんだけど」

「だって初めて言ったもん」




また、隼人が静かに、小さく笑った。





「隼人は不思議だよ、なんか」

「お前は馬鹿だよな」

「そういうのって普通に会話の中で言うものじゃない気がする」




言いながら、笑った。


だけど暗い路上に、何故か雨粒が悲しげに落ちた気がした。

それが気のせいだったのかは、もう今となってはわからない。