―――――… 「隼人ごめんね。ありがとう、助かったわ」 「赤点取らなければそれでいい」 帰り道、そう言いながらまた隼人は小さく笑みを零した。 それに対してはノーコメントで。赤点取るかもしれないし。 「もう私と隼人が付き合ってからどれくらい経つかな」 「半年」 「へえ。早いね」 ぽつりと呟く。 雨は止んだものの、不安定な雲は空をあちこち行き交っていて、どこか路上は暗い。