「部活、やっとけば良かったかな」
「やらない方がいいかもよ。私みたいになりますよ」
「じゃあ辞めとくよ」
また、結菜が笑う。
そんなに面白いかな。私の話。
「結菜、よく笑うね、今日は」
「えー、普通だよ」
「えー、いつもそんな笑わないよ」
「なんか真似した?」
「いや別に。好奇心」
「したんだ」
放課後の屋上は、いつも以上に寂しげな雰囲気を滲み出していた。
そんな空間に、どこか空虚を感じる私は、ゆっくりと腰を上げた。
足を運んで、
がしゃん。結菜の隣、フェンスに手をついた。
そうすれば、校庭で部活動をやっている生徒が視界に入った。
「うわ、頑張るね。サッカーとか凄いわ。なんであんなボールが上空に上がるの」
「野球も凄いよ。なんか青春って感じが…ほら、…あ、打った」
キーン、金属音が耳に届く。
どうやら私の質問に答える気はないらしい。幾分か私より背の高い結菜を見上げて苦笑した。