がたんと席を立つ。 そこで、窓の外を一瞥した大地が、俺を振り返った。 「なあ」 「…なんだよ」 「睨むなよ」苦笑混じりにそう言った大地は、息を漏らした。 「なんつーか、上手く言えねえけどさ」 自分の耳に、声が届く。紛れも無く、それは大地の声だった。 「…あんま、考え事ばっかしてると疲れんぞ」 「…有難迷惑」 ぱらぱらと、雨粒は静かに降下した。