窓の外に視線を向ける。ゆらゆらと動く不安定な雲は、今にも雨を降らせようとしている。 それに気付いたのか、大地が俺に口をついた。 「うわ、雨降るかな。部活出来ねえじゃん」 「…」 不服そうにそう言うと、「久々に晴れるかと思ったのになあ」また言葉を零した。 部活か。確かにここのところ雨ばかりで部活はやれていない。 「ボール触りてー」 大地が欲を漏らす。 ボールの感触が、指先に残っている。