お姫様のオオカミ

2人で校門を出る。

「家まで送るよ」

「そっそんな、もう大丈夫ですよ」

「そんな風には全く見えないけど。いいから送ってく」

「はっはい…」

先輩に送ってもらう事となった。

「本当はさ。色々聞きたいことがあったんだけど、今日はやめておくよ」

「…先輩」

「まだダルそうだから、今度にしてあげる」

「はっはい…」

そりゃ聞きたいこといっぱいあるよね。
なんで屋上にいたの?とか、なんで泣いてたの?とか、なんで日射病になってるの?とか…
いっぱいあるよね。

「そんな顔すんなって。詩音ちゃんが話したくなるまで無理に聞いたりしないから」

「先輩…」

「今日は頭ぐっちゃぐちゃだろ?詩音ちゃんがボーっとしてても怪我なく帰れるように俺が見張ってるから」

「先輩…」

先輩は優しすぎる。
気になってるはずなのに。
私が屋上にいたわけを。
泣きながら倒れていたわけを。
なのに、気を遣ってくれて…