「…テスト?!なんで?」

入学して1週間ほど。
中間テストにしては早すぎる。

「“高等部初回テスト”。お前知らねーの?」

高等部初回テスト…?

トシが当たり前のように言っているけど、そんなテスト聞いたことがない。

「バカだねー…」

「むっ。」

もう、ほんと、こいつは嫌味しか言えないのか。

「なんなのよ。初回テストって。」

「はいはい。教えてあげますよ。」

トシは、まるで赤ちゃんに話しかけるような口調で言ってきた。

「…。」

「まぁ、なんだ春休み勉強してたかの確認テストだな。」

ふーん。そうなんだ。
なんでも、定期テストと同じ感じらしい。
この学校は初等部からずっと持ち上がりだから、卒業式もなく、高校生ってことになってもなにも変わらないらしい。

「勉強しなきゃねー…」

私の嘆きに、隣にいたそうまも「だな。」とうなだれた。

そんな中、トシはなんだかニヤニヤ。

「いい事考えた。この中で最下位のヤツの家に泊まりに行こーぜ」

「お!いいね!」

「なんか楽しそうだね。」

私、一応特待生だしね。
油断は禁物だけど、賭けがあったら頑張れそう。

みんなが賛成していく中、

「イヤだ…。」

ん?

るまくん?

るまくんだけ、顔がどんより。
もしかして…

「るまくんって……頭悪いの?」

ストレートに聞いてみた。

「“天ランク”だから、人からしたら秀才だけど、オレらからしたらバカなんだよなぁ。」

と、るまくんの代わりにトシが答えた。