「…と…し…」 絞り出すような声で俺の名前を呼ぶちや。 その声は、恐怖と驚きが混ざっているようだった。 「ちや…!」 おれは無我夢中でちやに駆け寄り、目の前の男を蹴り倒した。 ひと蹴りで、床にうずくまる男。 すぐさま間風とそうまが駆け寄り、男を取り押さえた。 振り返り見下ろすとちやは、恐怖のあまり震えていた。 しゃがみこみ目を合わせる。 その目には涙がこぼれ落ちそうなほど溜まっていた。 「ちや…」