---トシside---
《トシ!助けて!変なおじさんに……!》
それで、電話は切れた。
それから何回もかけるけどつながらない。
「…っ」
「トシ……?どうしたの…?」
顔面蒼白の俺にるまが言った。
「ちやが……拐われた。電話で“助けて”って…」
「…やっぱりか…。」
ケイが苦い顔をしながら独り言のようにつぶやいた。
“やっぱり”。そう。わかってたはずなのに。毎年特待生が狙われるのは知っていた。知っていたのに…。
俺は自分への行き場のない苛立ちをテーブルにぶつけた。
「トシ落ち着けよ。…電話はなんて言ってた?」
「変なおじさんにさらわれたって。…あとは…」
「他の音とかは?」
そうまとケイの言葉に落ち着いて、電話を思い出す。
………!
「滝だ…。かすかに滝の音が聞こえた!」
間風が学園の地図を持ってきていた。

