「よし、完了」

「ありがと、ルウ」

毎朝、お互いの髪をセットするんだ。

お客さまの憧れのヘアスタイルで、僕は居たいと思う。

「まだ時間あるな。ココ、こっち座って」

「え?」

いつもは家を出る時間なのに、まだソファーに座ってる。

「ルウ、遅れるよ」

「いーから。な、こっちおいで」

うん。

・・・分かったよ。

「良い子だね」

ぎゅっ

「ギャッ!!!」

ぎゅーっ

「痛っ!なに!?ルウ」

ほっぺた、抓られた。

「マッサージ」

え・・・?

「ココが笑えるように」

・・・ルウ。

「あ・・・じゃあ、僕もお返し・・・って」

わっ、あれ?

逃げられた?

「お返しは、こっちにどうぞ」

玄関で、僕を待っていて。

「ルウは、わがままだなぁ」

「どういたしまして」

背伸びしたら、ルウが抱きしめてくれた。

ありがとうのキス。