「ミア、まだ?早く、ココサンタに会わせてよ」

「ちょっと待ちなさい、ルウ」

スタッフルームに連れ込まれて、ミアちゃんに着付けしてもらってる僕。

してもらってるじゃない。

「こんなの、無理やりだぁ!」

「こら、暴れないの、ココちゃん」

「やだぁ!」

それに・・・。

どうして、ミアちゃんは平気なんだ?

僕は男の子なのに・・・。

「まぁ。可愛い!ほら、私のロングブーツ貸してあげる」

バレリーナみたいなピンクのタイツを合わせてもらったけど。

ミニワンピースの丈だから。

・・・すぅすぅします・・・。

「ルウ。ココちゃん、どうぞ」

「うわっ!」

ミアちゃんに力強く背中を押されて。

飛び出した僕は。

ゆっくりと、ルウの顔を見上げた。

「かっ・・・」

か?

「可愛すぎる!」

そう言われると、やっぱりどこか、嬉しいのかな。

「ココ」

・・・え?

「いただきます!」

だから。

ハロウィンじゃないんだってば。