「ココ・・・」

小さな声で、虚ろな瞳で。

それでも、正確に、シザーを動かして。

ルウは、僕が切り刻んだ髪を直してくれた。

僕は、ルウと瞳を合わせられなくて。

ただ、ぎゅっと手を握って。

流れていく髪を見つめていた。

何度も、ルウは、僕のことを、呼んでくれているのに。

僕は、なにも返すことができなかった。

「はい、終わったよ。・・・どうかな?大丈夫?」

ルウ・・・。

ただいま。

僕だ・・・。

「ココ。胸に手を当ててごらん」

え?

「男の子に戻ってるよ」

ほんとだ。

女の子じゃなくなってる。

「ルウ・・・」

声も、僕だ。

「ココ。ちょっと、いろいろ考えさせて」

だけど、ルウの心はもう、戻らないのかな。