「ルウって・・・意外と不器用?」

「悪かったなー!」

「新しい一面・・・」

「何だよ、ココ。・・・あー!タマネギ、目に染みるー」

「新鮮な証拠だよ、文句言わないの」

オレ、今日、涙不足になりそう・・・。

「で、ルウ、何があったの?」

ココも手を動かしながら聞いてくれる。

オレが話しやすいように気を遣ってくれてるのかな。

「・・・ルウ?ダメだったらいいよ。僕に話したくないこともあるだろうし」

違うんだ・・・。

ココに甘えてしまいそうだから、怖い。

「ルウ?だいじょうぶだよ。僕はルウの味方だから」

「え・・・?」

「どんなことがあっても、ずっと」

ココは手慣れたように、オレが切った野菜をいつの間にか炒め終えていた。

煮込み始めの火を灯したと同時に。

オレは少しずつ、ココに話し始めていた。

ミア・・・彼女に別れを告げられたことを。

ココは何も言わず。

ただ、じっと、オレの気持ちに寄り添ってくれていた。