「ただいまぁ〜。あれ?母さん、出かけたのかな?」

「おじゃましまーっす」

右手にククのリード。

左手にオレの手を引っ張って。

ココの家に連れて帰ってくれた。

小さい頃から、どちらの家も帰ることのできる、あたたかい場所。

「ココ、クク、おかえり。今夜はお父さんにデートに誘われたので、何か作って食べてね・・・作り置きしてくれてないのが、母さんらしいなぁ・・・もぉ」

「おばさん、おもしろいな」

「でしょ?あー、どうしようかな。この材料だとシチューかな。お、ラッキー!クリームシチューのルーがある」

「良かったなぁ」

「うんっ。あ、そうだ、ルウも一緒に作ろうよ」

「え?」

「いいでしょ?ね、話、聞いてあげるから」

「や・・・いいよ、大丈夫だから」

「これ、ルウのエプロンね」

「はい?」

「いいからいいから」

分からないけど。

オレはココと居ると、ずっと笑ってる。