「・・・おにーさん!ココおにーちゃんをなかせたら、けい・・・けい、おこるよ」

「はいはい。分かったよ」

「ほんとに?」

・・・ん?

リビングから、可愛い声。

圭くん・・・?

・・・ガチャッ

「こら、ちびっこ。まだ寝てるからダメだって」

「ココおにーちゃん、だいじょうぶ?」

「・・・圭くん・・・」

来てくれたの?

「ココ、まだ起きちゃダメだって」

それでもルウは、僕の背中に腕を回してくれる。

「ありがと、ルウ」

あれ?

ルウ、さっきから紅くなったり忙しいな。

「これ、あげる!」

爽やかな優しい香り。

フルーツいっぱいだ。

「ありがとう。圭くん」

だけど、誰かと一緒に来てくれたのかな?

「ココさん」

リンちゃん・・・。

「ほんとにごめんなさい!いろいろご迷惑かけてしまって・・・。おふたりの気持ち、傷付けてしまって、ごめんなさい」

「リンちゃん・・・。だいじょうぶだよ、僕は、だいじょうぶ」

それよりも・・・。

「リンちゃんが風邪ひいてなくて良かった」

良かった・・・。

「な?」

えっ・・・ルウ?

「はい。ルウさん。ほんとに」

リンちゃん・・・?

「ほんとに、ココさんは優しい方ですね。私、ありのままのお気持ちだけで接してくださるココさんから、勇気を頂きました。ほんとに・・・。ありがとうございました」

僕は、柔らかい笑顔で伝えてくれるリンちゃんの言葉を。

ゆっくりと胸に置いていた。

あの日と違う。

満面の笑みでリンちゃんにくっつく圭くん。

ただただ。

僕は、出会えて。

嬉しかった。