まだ夢を見ているのかな。

眠いけど、仕事に遅れちゃう。

同じフレーズをループするアラームに手を伸ばすと、控えめフリルが可愛い袖口が見えた。

このパジャマ、冬の始まりにちょうどいいかも。

我ながら、ファッションセンス、バッチリだよなぁ、僕。

「なにニヤケてるの、朝から」

そりゃぁ、すてきなことが今日も起こりそうだもん。

もう少しだけ、寝てもだいじょうぶかなぁ。

「こら、寝るなよ。起きるぞ」

ガバッ

「きゃ、寒っ。なにすんだよー」

お布団、返してほしい。

「お前、朝はいつもそんなだな。なんで男言葉になるんだよ。おもしろいな、まったく」

えっ・・・、僕、だって、男だよ。

「ほら、目、パチパチしても無駄だよ。起きますよー、ハニー」







ちゅっ







「ギャー!!!」

「もー、うるさいなー」

「え、え、え、えぇー!?」

「はい、早く顔洗ってきてください」







ほぼ毎朝、僕はこうして、自分の訳ありな事情に驚かされる。

ゆっくり、お話、聞いてくださいますか?







friendly love