雪乃は俺のブレザーをぎゅっと掴む。 「啓と、キス、した…」 頭が真っ白になった。 怒りとか、嫉妬とか、憎しみとか、負の感情がごちゃ混ぜになり渦巻く。 「…ごめん」 何も言わない俺が怒ってるのと思ったのか、雪乃が身体を離す。 初めて見えた目元が赤くなっている。 それ以前に涙が浮かんでいる。 「…されたのか?」 そう聞くと、コクンと頷いた。