サッカー部の勧誘を受けて、大幅時間を食った。

 早めに練習場に着いて、自主練する時間が減った。

 なるべくその分を取り返そうと考える。


――今日は、サポーター、バスの中ではいて。・・・――

 少し走りながら、時間短縮策を考えている。

 サッカーができるからわくわくする。

 顔がほころぶ。足取りが軽くなる。


 珠理の家が見えてきた。家まであと十メートル。

 全力疾走だ。
 平らな道を全力疾走。

 芝生の上を走っていたら、最高だとついつい珠理は思う。


 ガチャ~♪
 

 ドアに鍵がかかっていなかったのか、ドアの手すりを引いた瞬間開いた。

「ただいまー。」

 カバンを置いて、玄関で着替える。

 玄関に置いてあったサッカーの練習に行く用のスポーツバッグを持って、持ち物を確認する。
 水筒、タオル、ヘアバンド、すね当て、ゴールキーパーグローブ・・・
 よし、全部そろっている。