「よっしゃあー!!」

 珠理は高く跳んで、喜びを爆発させている。

 これで、全国大会に出れる。

 全国の強豪チームと競り合えると思うと、急に楽しみになってきた。

 それに、ほんの少しだけ希望の光が見えてきたような気がした。

 希望の光、その本当の意味は珠理にはまだ分からない。

 だけど、希望の光が見えた心地がする。


 互いのチームに礼をして握手して、ベンチに戻る。

「珠理。」

 監督が真っ先に声をかける。

「お前は、この試合で成長した。
 強い心がさらに強くなった。
 技術もあるが、それ以上に大事なのは心だ。これからも忘れるなよ。」

「はい、ありがとうございました。」

 義務や礼儀ではなく、自然と感謝の言葉が出てきた。

 いろんな気持ちがあふれて、今は整理がつかない。ただ言えることは、あふれる気持ちは、すべて前向きな気持ち。

 雲が一つもない青空を見上げる。

 珠理は空に微笑んだ。