〔完〕 うち、なでしこになるんだから

 絆はその場をきょろきょろ見まわしてから、

「じゃあ、先にうちらが円陣をを組みかけて、サヤが入ってから円陣を完成しよう。
 うちら十人はとにかく入ろう。」

「そうだね。」

 絆を先頭に、珠理を含む先発メンバー十人がコートに入る。

 十人全員が入ったことを確認し、円陣を組みかけて、

 ぴーぃ~♪

 副審が黒いボードを高く掲げている。

 赤で示されたみずきの番号はベンチに戻ることを示し、緑色で示された爽の番号はコートに入ることを示す。
 一度ベンチに下がった選手は、再度この試合に出れない。
 みずきは複雑な思いを抱えながら、副審の後姿を見つめていた。


 このスタジアムにいるすべての者に交代が行われたと示してから、爽はコートに入る。

 猛ダッシュで城崎ドルフィンガールズの円陣に入って・・・

「いくぞ~!」

『は~い。』

「城崎~ドルフィ~ン、今日も~。」

『頑張るぞ~、おー。』