〔完〕 うち、なでしこになるんだから

「絶対勝つから、安心して。
 珠理は仲間だよ。何かあったら、うちらに言ってよ!」

 梗子の声はいつもより優しく、頼もしい。

 それは、珠理にとっては初めて聞いた声色かもしれない。

 少しぼおっとしてたら、

「ジュジュのバカ。」

 結芽はそう言って、珠理の顔を見て笑った。

「もうー!」

 珠理はバカっと言われて悔しかったけど、なぜか自然と笑みがこぼれる。


「ジュジュさん。
 私たち一年生もがんばります。」

「私も。」

 頼もしい来未の声から、六人の声が生まれた。

「くるみ。ありがとう。
 一年生、ありがとう。」

 さらに、珠理に笑みがこぼれる。

「ジュジュが笑ったー。」

 満が指摘する。

「うち、そんなに笑ってなかったっけ?」

 爆笑が起こった。

 みんな珠理の発言に笑いをこらえてたからか。

 その訳を知らないから、笑っている様子を珠理は不思議そうに見つめる。