君の初恋だけを


『そろそろ帰るね…』


二杯めのお酒がグラスの底を
薄い水溜まりのように揺らしていた。


ここにいても何も変わらない。


私は純一と結婚するし、

この先の幸せを手放して
危険な賭けをするようには愛せない。



これはやり直す為のチャンスじゃなくて、

甘くて愚かな気持ちと決別するチャンス…


ここに全てを置いていく。


気持ちが揺らぐ前に…




『ごちそうさ…、?!』




そう言って立ち上がろうとした瞬間に
身体に違和感を感じた。