また、沈黙。


こういう時、自分のコミュニケーション能力の低さを痛感する。
何でも良いからとにかく話す、ということが出来ないのだ。

すると彼女がおはよう右京君、と言った。



「……おはよう、」



もう放課後だけど、と付け加えると彼女はふふ、と笑った。



「今日会ったの初めてだから。本当は、お昼くらいに学校来てたんだけどね」



教室入りづらくてサボっちゃった。

そう言って彼女は自分の鞄の中からCDを取り出した。



「帰ろうかと思ったけど、右京君にこれ渡したくて。ありがとう」