禍津姫戦記

 ハバキが答えるとカリハは激しく顔をゆがめた。

「わかった。だがアゲハも武人の妹だ。今度のいくさのことは覚悟していた。むしろ他のものでなくてよかった」

「何の覚悟だ。アゲハでよかったなどということがあろうか」

 姫夜は思わず立ち上がって叫んでいた。みな驚いて振り返った。

「ハバキ、わたしに行かせてくれ。わたしなら――」