禍津姫戦記

「そのとき、那智どのはおいくつになられていたのです?」

「六つにございました」

 那智は静かに、微笑んだ。

「肝心なのは剣のありかにございます。神宝は五つがそろうと、独特の澄んだ響きを発します。わたくしの耳に間違いがなければ、今、神殿にある神宝は五つそろった時の音色を発しております」