姫夜は神司の正式な装いに改め、しずかにハバキのそばに端座していた。そのまぶたは、なかば閉ざされ、瞳は虚空をみつめている。
 那智は敏感に、姫夜のなかでカミがめざめているのに気づいているらしかった。

「それはかまいませぬが、事の次第を最初からお話しいただけましょうか?」

 ハバキがちらと姫夜を見た。姫夜はうなづいた。