「神宝を蔵から出す、と?」

 那智は、ハバキのことばにぴくと眉をつり上げた。ハバキの熱はまだ下がっていなかったが、姫夜とは夜が明けるとすぐに館から、神殿の神殿へと居を移した。残る十四日は神殿で過ごすことに決めたのだった。

「そうだ。生玉、足玉、ひれ、鈴、そしてカツラギの剣だ」