ハバキは姫夜の肩を両手でつかんだ。

「まだある。奴は次の満月の日に、神門を使えと云った。いったいどういう意味だ」

 姫夜は一瞬たじろいだが、唇をかみしめて顔をあげた。

「満月を待ってはいられない。今すぐ行かなければ――」