禍津姫戦記

「カンナギにしてはまた、ずいぶんとかわゆらしい……。まことにそなたが、ハバキが王になるといったのか?」

 姫夜はうなづいた。
 驚きはしかしすぐに疑いへと変わったようだった。ふいにカリハはにやりとして云った。

「では姫夜とやら、今ここにいるものの先行きも占えるか」

 姫夜はたじろいだが、はっきりと云い返した。

「占は酒の余興ではない。しかるべき時と所と、心とが必要だ」