禍津姫戦記

 血と獣の毛と羽根にまみれた姫夜を見るなり、二人は顔色を変えた。

「ヤギラがモモソヒメに憑かれて姫夜を襲った。すぐ手当を」

「ハバキさまもお怪我を」

「俺はあとだ。クラト、竹ノ内峠へむかう道の途中に、東へ枝分かれした道がある。そこを川へむかって下りていった場所に出で湯がある。そのそばにヤギラが倒れているはずだ。さがして連れ帰ってきてくれ。深手を負っている」