姫夜は息を詰めて湯から立ち上がると、そっと手をのばし、薔薇を受け取った。 花びらに顔を寄せ、深々と香気を吸い込む。とげはていねいに取り除いてあった。 「よい、匂いだ……」 その瞬間、ビシ、と鋭い矢羽根の音が空を切り裂いた。