「仕えろと云ったおぼえはないぞ。当分のあいだは客人(まろうど)ということにしておいてもよい。そなたがこの里の暮らしに慣れるまで気長に待つとしよう」
ハバキがあっさりと杯をひっこめたのを見て、那智が驚きを隠せぬように云った。
「これはこれは、杯を断った相手を殴らぬハバキさまを、はじめて見ました」
ハバキは那智を睨んだ。
「余計なことを云うな。それではまるで蛮人ではないか。客人をおびえさせてなんとする」
ハバキがあっさりと杯をひっこめたのを見て、那智が驚きを隠せぬように云った。
「これはこれは、杯を断った相手を殴らぬハバキさまを、はじめて見ました」
ハバキは那智を睨んだ。
「余計なことを云うな。それではまるで蛮人ではないか。客人をおびえさせてなんとする」
